特定非営利活動法人ツバルオーバービュー

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2010/02/26に開催されたカヌーレース、スタート前の様子
2010/02/26に開催されたカヌーレース、スタート前の様子

2010年2月28日はこの年一番高い大潮の発生が予測されていました。そのタイミングに合わせて、ツバルの首都フナフチでは「キングタイド・フェスティバル」が開催されました。お祭りというと、楽しくて騒がしいイメージがありますが、このフェスティバルは、進行中の海面上昇で失われてしまうかもしれないツバルの伝統文化を見直し、海外にアピールする機会にしようということを目的に開催運営されました。今年が初めての年だったこともあって、観光客は集まりませんでしたが、メディアのチームが複数来島して、ツバルのキングタイド、文化、環境リソース、などの内容で精力的に取材をこなしていました。

日程表 25日 26日 27日 28日 29日
午前 自転車レース
伝統文化実演
環境講演会 ミサ
午後 カヌーレース
伝統ゲーム実演
音楽祭
開会式 ファテレ 閉会式

同時に政府総合庁舎1階のホールでは、ツバル国内の環境団体のパネル展示も1週間行われました。26日の自転車レースと27日の環境講演会、パネル展示にもTuvalu Overviewも参加し、お祭りを盛り上げる手伝いをしました。

開会式の様子
開会式の様子

環境講演会で環境への提言を行う小学生の女の子
環境講演会で環境への提言を行う小学生の女の子

キングタイドフェスティバルはツバルタイムで順調に行われましたが、28日の早朝に出された津波警報でお祭りムードは一瞬、吹き飛んでしまいました。

津波警報発令

28日5時、右の政府庁舎には日曜日の早朝にもかかわらず明かりがともり、左側の警察本部には警官が集合しています。警報は現地時間で8時~11時30分間での津波発生を警告していました。

政府庁舎に避難して不安げに海を眺める人々
政府庁舎に避難して不安げに海を眺める人々

山がないツバルでは警報が発令されても逃げるところはありません。小学校の2階や政府庁舎に沢山の人が避難しました。日曜だったのですが、朝の境界のミサもお休みとなりました。

チリ側の外洋を警戒する担当者
チリ側の外洋を警戒する担当者

幸いなことにツバルでは津波を観測することはなく、28日の11時半に警報は解除されました。今までツバルが津波に襲われた記録は残されていないので、多分、周辺の海域が深いのが幸いして、津波が起こらない海底地形をしているのではないかと考えています。この件に関してはSOPACからレポートも発表されています。

SOPAC/GA Tsunami Hazard Report 06(PDF 6.1MB)

また、28日の夕方は今年一番高潮が警戒されていましたが、こちらも幸いなことに、全然高くない、むしろ、普通の時の満潮のような状況で、本当にホットしました。もしかしたら津波によって海水の偏りが起こっていたのかもしれません。フェスティバルのスピーチでは、男女平等の視点からキングタイドとクイーンタイドがある!などという冗談だか本当だか分からない話も出ていましたが、今年はさながらクイーンタイドの年だったと言えるかもしれません。

上はおなじみのロトヌイの写真です。この広場は首都のフナフチでも少し海抜が低いので、キングタイドの時には必ず海水が湧き出してきます。外洋もラグーンも海は波立っていて、実際の高さがどのくらいなのか把握できないのですが、この広場に来ると的確に海面の高さを確認できます。右が1月、左が2月。大きな違いが見て取れます。今年のキングタイドはまるで10年前の大潮の時のような海面の高さです。

しかし、Tuvalu Overviewの事務所の前の海岸浸食は深刻です。今年は1月から偏西風を伴う嵐が続いていて、事務所横の海岸は1m以上浸食が進んでしまいました。事務所のプレファブ小屋まであと6mしかありません・・・写真下の右奥には豚小屋がありました。その小屋の床下も削られて落ちてしまったので、豚は別の場所に移されました。臭かったのでいなくなってくれてホットしていますが・・・その内、事務所のスタッフも豚と同様に避難を余儀なくされるのかもしれません。事務所のプレファブ小屋も安くはない買い物だったし、かといって、移動する場所はないし、防波堤?そんなものもちろん造れる資金は持っていません。

ツバルでの被害は、まずそれが海面上昇の影響か否か?というところが議論になって、海面上昇による被害ではない!と結論づけられると、それ以上の救済処置が得られないという奇妙な事態に陥っています。原因の如何によらず、国土が削られて無くなってしまうかもしれない島国があります。そして、自力でこの状況への対策を打つ資金もありません。息子に小遣いを何億もあげるような余裕があるそこのあなた!是非少しお金をください、1億円もいりません。よろしくお願いします。

文責 Tuvalu Overview 代表理事 遠藤秀一