特定非営利活動法人ツバルオーバービュー

現地事務所通信

台湾ICDF(International Cooperation and Development Fund:財団法人台湾国際合作発展基金)が、首都フナフチでミルクフィッシュの養殖に着手しました。2011年1月から派遣された台湾ICDF専門家のマックリー氏によって、着々と準備が進められています。

台湾ICDFによるミルクフィッシュの養殖は、首都のフナフチから100キロ程離れたところにあるバイツプ島という離島でも前例があり、今後人口増加などによって起こると予想されている海洋産物の減少への対処などを目的として専門家が派遣され、現在は現地の人々が管理運営を行っています。

今回フナフチで始められたミルクフィッシュの養殖では、稚魚はバイツプ島の養殖場から運び込まれました。コンクリート製の水槽に、大きさ別に飼育されており、今後フナフチ環礁内に、成魚を飼うための籠を設置する予定です。しかし、まだその設置場所などは未定で、今後引き続き専門家が派遣され、軌道に乗せるには時間を要する見込みです。

首都のフナフチは離島出身者の流入によって、特に今後人口増加が予想されています。しかしながら、ツバルのような島国における水産協力、特に養殖の分野は、その維持管理が難しいのが現状です。日本も南太平洋州を含む島国での養殖事業の前例はありますが、成魚まで育てても、現地の人々に運営管理を引き継ぐことがとても難しいそうです。というのも、今後人口増加や他国の漁船の乱獲などによって海洋産物の減少が予想されるとは言え、現地の人々からすれば実際に海に出れば現状では生活していくのに充分な海洋産物が捕れます。将来直面するかもしれない問題に対する危機意識を持ってもらえず、現地人による管理が疎かになってしまうという現状があります。また、貨幣経済が浸透し始めてまだ間もなく物々交換の風習が色濃く残るような地域では、養殖で育てた海洋産物をそのまま親戚にあげてしまうこともあります。そうなると資金が不足し、養殖場の維持管理に充分な費用が割けず、結局中止せざるを得なくなるということが起こっています。

担当のマックリー氏は今後2年間の予定でツバルに駐在。フナフチでの養殖場のシステムを確立するのはもちろんのこと、任期を終了してからの維持管理を適切に行うための人材育成等課題は山積です。しかし、乱獲や人口増加だけでなく、気候変動など、今後海洋生物に悪影響を及ぼす要因は多様化する可能性は否定できません。将来のために今できることとして、今回のフナフチでのミルクフィッシュ養殖という有意義な援助を推進する台湾政府の姿勢は首都において高く評価されています。

※ミルクフィッシュ:ミルク色の身から、英語でミルクフィッシュと呼ばれる。稚魚の捕獲が容易なことから古くから養殖魚として知られている。