特定非営利活動法人ツバルオーバービュー

現地事務所通信

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世界中でペットとして飼われている「犬」。先進国では、犬は室内、若しくは、繋いで飼うもの。というコモンセンスがありますが、発展途上国ではそのような常識はありません。ツバルでももちろん犬は放し飼い。狭い島内で勝手に交尾を繰り返し、手に負えない数になり、野生化し、数十頭の群れが走り回る状況になると、捕まえて殺処分します。

日本でもペットの殺処分が問題になっていますが、増えすぎた犬によって人命にまで影響が出る事態になれば、殺処分の検討も必要になります。ただし、増えすぎないように管理する。ということをまず行う必要があるとのですが、、、管理する・・・ツバル人には不得意な分野です。

先日も犬による被害が発生しています。4月に、群れで走り回っている犬が急に道路に飛び出して、バイクに接触し、ドライバーが怪我をする事故が2件発生しました。被害者の一人はツバル人と結婚したフィジー人女性。南太平洋大学の生徒です。肩の骨と肋骨を折る重傷。ツバルでは手当できない怪我でしたが、大学のカリキュラムの関係でフィジーに戻って治療を受けることも出来ずに、今に至っているとのこと。もう一人はバイツプのセカンダリースクールの教師で、同様の事故で右手と左足に深い擦り傷を負ったっとのこと。

飛行機が着陸寸前の滑走路に、犬が飛び出してきて、着陸のやり直しをする事故も珍しくはありません。しかし、豚のエサやりの利便性のために滑走路周辺には柵を設けないという方針を、TVAIP(ツバル航空投資事業)は打ち出していますから、現在、フィジー〜ツバル間を運行しているFIJI AIRWAYSも、そのうち、運行取りやめを検討することもあるかもしれません。

Simon Kofe

司法部の主任行政官のSimon Kofe氏(写真上)は「裁判所では、事故及び事件の種類や被害度の大きさにより、加害犬を死刑にしたり、飼い主に罰金及び相応の額を被害者へ支払うことを命ずることができる。」としていますが、勝手に増え続ける野良犬には、当然、飼い主はいません。また、飼い主がいたとしても町役場への登録料が50ドルもするため、登録されていない飼い犬も多いとのこと。50ドルの登録料?町役場の仕事なのだから無料で登録作業をすればいいのに!と思いますが、そこはさすがのツバル人。make senceはありません。

殺処分は、町役場からの要請によって警察が実施しますが、警察と言っても、制服を着たツバル人、とんでもないカオスな状況となります。一度は、捕まえやすい「飼い犬」だけを捕獲して、島の端のゴミ捨て場に運んで、銃殺したということもありました。問題を起こしているのは野良犬なのに、、、

【犬禁止!】犬のためにも人のためにも、この法律を制定することが最善の策だと思われます。

文:遠藤秀一(当団体代表理事)取材:松浦克彦(現地駐在員)