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その昔、自然は私達の友だちでした。しかし今は災害と混乱をもたらすものとなってしまいました。私が住んでいる島でも、海面上昇の被害が頻発しています。それでも、私はこの島での生活を愛しています。
ここで生き、ここで死ぬことを望んでいます。こんな当たり前の願いを叶えるためにも、どうか一刻も早く温室効果ガスの排出を止めてください。 Noataga 53才 漁師 ヌクラエラエ環礁在住(2007年5月26日収録) |
国際社会において、気候変動や地球温暖化の問題は、国家間で調整するべきこと。のように位置づけられています。その結果、国と国の利害関係がぶつかり合い、本来のゴールである「気候変動や地球温暖化の無い地球」を目指す結果をいつまでたっても実行することができないでいます。国の政権を担う一握りの人間によって、人類全体の問題の解決が阻害されていると言うこともできます。
この問題が深刻化するにつれて、被害の矢面に立たされるのは、組織内の人間ではなく、普通に生活をしている一般市民です。ツバルではすでにこの構図が顕在化し、被害が進行しています。海岸侵食により家を失った人、祖先から受け継いだ島を失った人、タロ芋畑を失った人、井戸水を失った人・・・
先進国に生きる一人一人が無意識に享受している贅沢過ぎる暮らしが、ツバルを初め地球上の様々な場所で生きる誰かの暮らしを脅かしています。
私たちは、気候変動を始めとした問題を国家という組織間の問題という位置づけから、個人の手の中に取り戻す必要があると思います。地球に生きる一人一人が、解決を目指して行動をはじめなければ、この問題を止めることはできないでしょう。政治家や官僚に預けておける状況はではありません。
気候変動の問題が、地球に生きている私たち一人一人に課せられた問題であることを、今一度、思い出してほしい。そのような気持ちを込めて「ツバルに生きる一万人の人類」プロジェクトを進めています。現在被害に直面しているツバルに生きる一人一人の素敵な笑顔を撮影し、飾りのない素直な意見とともに、世界に発信することで、ツバルの状況とそこに生きる一人一人の人間の存在を、思いを、笑顔を、沢山の人の手元に伝えたいと思います。
ツバル国内の9つの島に遠征を行い、その島にいるすべてのツバル人の家を訪問し、インタビューを行っています。その結果はweb siteや国際会議での展示、プレゼンテーションなどで広く公開しています。
ツバルに生きる一人一人の人間の未来を守ろうとすることは、実は、私たち先進国に生きる人間の未来を創りだすことなのです。どうかツバルにいきる人々の笑顔に触れて、その言葉を聞いてください。そして、この問題を止めるための活動を今すぐ始めてください。