進展少なく天津会議閉幕。
中国で初めて開催された国連会議。COP16前の最後の会議として、何らかの進展をみられることが期待された天津会議ですが、大きな進展がないまま閉幕しました。
●存在感増す中国
ホスト国としてだけではなく、交渉においても、強い姿勢に臨み、意見が対立するアメリカにも一歩も引かない中国。ツバルのような島国の声は、この2国の対立の前にかき消されてしまうような印象が否めません。
●孤立化しつつある?日本
そんな中、日本は、従来通りの意見を繰り返すにとどまり、一部孤立化しつつあるのではと思われる場面も。また、カンクンでの合意に向け、交渉を動かすために中国、アメリカなど他の国に積極的にそして、戦略的に働きかけるといったような動きもありませんでした。
今回の会議では、カンクン会議での合意は、どんなものになるのかその要素案が議長から提案されたものの、そこへ向かって交渉が積極的に動きだすことはありませんでした。しかし、示された要素には各国あまり異論がなかったので、カンクンではそこにどれだけ細かい内容を盛りこめられるかということになるのではないかと思います。
カンクン会議まであと2カ月。その前に開催されるPreCOPなどいろんな準備会合でどこまで合意に向けた準備ができるか注目されるところです。
◆とても空気が悪かった天津
週末はそうでもなかったのですが、ウィークデーになると、空気は、目に見える茶色い霞のようなもので覆われ、視界がとても悪くなります。大気汚染です。北京オリンピックの際に、工場を天津の近くに移設させたのが原因ではないかという見方があるようです。こんなひどい大気汚染は経験したことがなかったのでとてもびっくりしました。経済発展の証拠なのでしょうが、中国が環境都市をつくり、国連の環境会議が開催される地としてアピールするには、ちょっと矛盾しているように思いました。
(執筆:川阪京子)