Cop17、環境局長の談話
まずはじめに、京都議定書がツバルのような小国を守る最後の砦だということを今一度先進国に対して確認しておきたい。京都議定書を廃止して新しい枠組みを作るなどといういう、時間稼ぎとしか思えないような態度を取る一部の先進国に対抗し、京都議定書を2013年以降も継続させるために、我々小国はNGOなどとも協力して第2約束期間の重要性を声を大きくして訴えてきた。
そして今回のCOP17では、無事2013年以降も京都議定書が継続されることが決定し、その点は評価すべきである。しかしながら、日本などはまだ新しい枠組み作りを諦めてはいないように見受けられる。またCOPがアメリカなど先進国のご機嫌伺いをしながら議論を進めていることもあり、具体的なところは今回も先送りされてしまった。我々が期待していた「緑の気候基金」も、詳細が詰まらないまま次回に持ち越され、名前だけが一人歩きしている状況である。1.5度の上昇で我々の国と人々は危機的状況にいやおうなしに立たされてしまう。日本などの大国のように守らなければならない産業も資源も無に等しいツバルではあるが、そのような経済面の優劣を越えた議論がされなければ、この世界規模の問題には対処できない。
京都議定書が、ツバルを含む小国を守る最良の手段であり、気候変動問題が、一刻を争う地球規模の問題であることをこれからも訴え続け、次回カタール、ドーハ会議では、より具体的、効果的な前進があることを期待する。
最後に、今回COP17の開催国となった南アフリカ共和国に対しては、弱い立場にある我々小国に寄り添いながら議論を進め、ボランティアも含め懸命に働いてくれたことに、深く感謝している。
ツバル国環境局長マタイオ・テキネネ氏
インタビューと翻訳は現地コーディネーターの北添春菜が担当しました。