雨期を迎えたツバルの状況
2013/01/29
ツバルでは12月〜4月頃まで雨期を迎えます。雨がちな天気が続き、周辺海域の低気圧の活動も活発になる為、嵐に襲われることもあります。この時期、一年でも海面が一番高くなる大潮のタイミングにも重なる為、首都のフナフチ環礁では首都機能があるフォンガファレ島の西側に強い波が打ち付け、波が陸上に打ち上がる現象が度々起こります。上の写真は満月の翌日の2013年1月28日午後5時頃(満潮時)の様子です。ビーチサイドに建っているホテルの前庭に海水が流れ込んで大きな池のようになってしまっています。
この日の満潮は測定点から+3m程度で近年ではそれほど高い潮位ではなかったのですが、強い風でラグーン内の波も高くなり、写真のような大きな波が打ち寄せてしまっています。
この現象は首都のフナフチ環礁で限定的に見られるものではなく、ツバル全土で海岸線の浸食が見られます。今年私たちはツバル国内のヌイ環礁で「ツバルに生きる一万人の人類」プロジェクトを推進する為に離島間連絡船の出港を待っています。プロジェクトではヌイ環礁のようなマスメディアが入りにくい離島での被害調査も併せて行っています。調査結果は後日報告します。
1900年後半からこのような被害が増えてきていますが、嵐の多発や、風の強大化、また、満潮時の潮位の上昇、などの現象は、現時点では気候変動や海面上昇の影響であると断定できないと考える人もいるようですが、現在でも世界各地に大きな影響を与えている気候変動が続き、海面も上昇していけば、このような被害が世界各国の海岸線で起こりえるとも考えられます。
以下の写真もそのような身近な未来に起こりうる現象であるという視点で見ていただければ分かりやすいかと思います。