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気候変動ニュース

ナイキ、スターバックス、インテルなどの米国メガ企業33社が、アメリカ政府に対し、気候変動問題に関して対策をとるよう求め、『気候宣言』に署名した。これは、持続可能なグローバル経済とリーダーシップ構築を目的とし、投資家や企業、公益団体の強力なネットワークを動かすことをミッションとするCeresというNPOのイニシアチブで、アメリカ連邦議会に気候変動対策法案を可決し、CO2削減の努力を促進するよう求めている。

署名者の中には、ハリケーン・サンディなどの異常気象により被害を被った企業も数社あり、2012年の異常気象でアメリカ経済の気候変動に対する脆弱さは明らかとなった。NYを拠点とするアパレル企業アイリーン・フィッシャー社CEOのアイリーン・フィッシャーは、「綿に悪影響を与える干ばつや、ビジネスに多大な被害を及ぼしたハリケーン・サンディなど、気候は私たちの事業の全ての側面に影響します。環境的・社会的責任のある企業として、私たちはポジティブな変化を起こそうとしています。しかし、それは企業の力だけではできません。強力な気候変動対策法案のサポートが必要なのです。」と話す。

これら企業は、個々の事業によるCO2排出量削減のための対策をそれぞれとっているが、国が政策として対応することが必要だとし、アメリカ連邦議会が、クリーンエネルギーを促進し、エネルギーの効率化を図ること、また二酸化炭素排出量を制限するなどして、気候変動問題に積極的に取り組むことを求めている。

リーバイス社政府業務・公共政策部門のアンナ・ウォーカーは、「企業は、将来の成功には今現在の投資が必要だということを理解しています。アメリカ連邦議会がこの国の経済成長のために今できる最も重要なことの一つが、今年中に賢明な気候変動対策法案を可決することです。私たちの従業員、サプライ・チェーン、消費者も、私たち企業がリーダーシップをとっていくことを期待しています。」と話す。

この『気候宣言』は、気候変動問題に取り組むことを新たに誓ったオバマ大統領の公言と、フォーチュン100社の大多数が再生可能エネルギーまたは温室効果ガス削減に関する目標をたてていることを公表したCeres、Calvert Investments、WWFによる報告書に次ぐものである。最近のギャラップイェール大学による世論調査も、アメリカ人の過半数が気候変動は実際に起こっており、企業や政府はもっと積極的に対策をとるべきだと考えていることを明らかにした。この『気候宣言』に署名した33社の従業員を合計すると47.5万人に上り、年間収益は合計約45兆円に及ぶ。その影響力は大きい。

以下、『気候宣言』原文:

気候変動問題に取り組むことは、アメリカにとって21世紀における最大の経済機会の一つであり、正しい選択である!

「アメリカが偉大な国になったのは、常に『スタンスを明確にする』ということをしてきたからである。困難なことをし、機会を掴んできた。私たちは『自由』を得るために戦い、また国・コミュニティ・家族の健康と繁栄を保障することが、この国のそもそもの基盤である。今日、大多数の科学者が空気汚染が引き起こしていると同意する気候変動により、(私たちが守ろうとしてきた)それらが脅かされている。『大多数の科学者は間違っている』という間違った希望で私たちの子供たちの将来を危険にさらすわけにはいかない。過去に、アメリカが常に大きな課題に立ち向かい、その度にさらに強い国と成長してきたように、今回もこの問題と向き合い、勝たなければならない。そして、節電やもっと燃費の良い車を運転することで節約し、クリーンエネルギーを選び、新しいテクノロジーを開発して他国に売り、雇用を創出するなどして、正しい戦略を用いれば、私たちの暮らしは維持され、この競争社会の中で真のスーパーパワーとしてとどまることが出来るだろう。

ただし、それを実現するには、気候変動に関する組織的な取り組みが必要不可欠で、アメリカがまず国内からリーダーシップをとっていく、ということである。この国は常にリーダーシップをとってきた。そして、政治問題に関わらず、協力し合い、もう一度リーダーシップをとるべきなのである。」

オリジナル記事:

U.S. Business Leaders Urge Strong Policy Action on Climate Change

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翻訳: 濱川 明日香(Tuvalu Overview副代表理事)