デング熱の国内発症
相次いで3名の高校生が、代々木公園で蚊にさされたことが原因でデング熱ウイルスに感染し発病ています。テレビでも詳しい報道がされているようなので、みなさんすでにご存じのことと思います。
デング熱発生地域として、2011年にはWHOから図の範囲が公開されています。デング熱は主にヒトスジシマカやネッタイシマカが媒介するウイルスが原因で伝染します。ネッタイシマカのほうが人間への吸血依存が強く、感染力が強いのはネッタイシマカとされています。デング出血熱が発症した場合の致死率は26%にも及ぶという研究結果もある、マラリアに次ぐ熱帯性の伝染病とされています。
ツバルでも数年おきに大きな流行があり、今年2月にはフィジー諸島共和国で1万人以上が感染し11名が死亡しました。それに続いて、ツバルでも流行が起こり5月ころまで患者がいました。
ウイルスを媒介する2種類の蚊、ネッタイシマカは日本本土には存在しない、とされています。一方、ヒトスジシマカは1950年には分布北限が栃木県であったものが、その後50年でその北限を秋田県まで拡大してきています。(By 小林睦生 昆虫医科学部長 国立感染症研究所)
蚊の分布は平均気温が主な要素となり、ヒトスジシマカの北限拡大は地球温暖化の影響であると考えることができます。同様に今後の平均気温の推移の状況によっては、ネッタイシマカの北限も日本国土に到達する可能性があります。参考画像
昨年8月には日本からドイツに帰国したドイツ人女性が、帰国後にデング熱を発症したというニュースもありました。日本はデング熱ウイルスが定着できる環境になってしまったと言っても過言ではないのかもしれません。
今の異常気象は地球温暖化なの?そうじゃないの? そんな議論を交わしている脇で、生物の反応というのは嘘もなく着々と進んでいるのではないでしょうか?
これに対して環境省は(温暖化で蚊が北上 「環境省リスク拡大」)
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国内では不衛生な下水道など、蚊の発生源が少ないため、ただちにデング熱が流行するわけではないが、温暖化によって潜在的なリスクのある地域が拡大する傾向にある。一人一人が蚊に刺されないよう気をつけるだけでなく、蚊の発生源をさらに減らす社会的な取り組みも必要だ
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としています。温暖化をストップするということは、すでにあきらめて、適応策に重点を起いた発言ともとれます。
今後は、なにかにつけて「一人一人が・・・」自己責任の押し付けが日本でも始まるのかもしれません。
参照サイト:国立感染症研究所 デング熱とは?