1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

気候変動ニュース

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まず、他の国々と共に、テロによって悲劇的に失われた命に対して、フランスの人々に哀悼の意を評します。

ツバルという静かで平和な島国から来たので、これらに対する対応は、思いやりもあるもので、熟考されたものであり、そして、復讐をベースするべきではないと強く主張します。我々は、全ての心情や宗教に寛容であり、敬意をもたなければなりません。そして、暴力行為を他の暴力行為で対応してはなりません。我々は、これらの良い行いをする機会を失った野蛮な行為の根本原因に向けて、注意深い、敬意をもった対話や平和的な解決方法を通して、平和的な解決を導かなければなりません。

本日、私たち気候変動という人類のもっとも大きな挑戦の一つに立ち向かうためここに集まっています。私たちは歴史の重要なポイントにいます。最も強い意味合いにおいて、私たちがテロリストによってフランスの人々やその他の人々が苦しめられるという野蛮な行為を非難している間に、私たちは気候変動の壊滅的な影響から人類を守り、そして救うため、最も強いリーダシップを発揮して、COP21という機会をとらえなければなりません。我々は、可能な限り最も大きな政治的意志をここパリで持たなければなりません。

ツバルのような国にとって、我々の生存はこの会議における我々の決定に委ねられています。その点を強調させてください。国としての我々の生存は、この会議における我々の決定に委ねられています。これは、より良い未来への単なる足がかりではありません。我々は、崖っぷちに立っているのです。我々は連帯して崖っぷちに立ち、気候変動と戦うことに合意するのでしょうか、もしくは、我々全員が崖から転げ落ち、人類の悲劇的な未来を非難するのでしょうか。

今日我々が目の当たりにしている難民の様子、そして、あえて言わせてもらえば、増加するテロや改革主義的な考え方は、もし我々が気候変動に対応しなければ、世界が直面するであろう問題の氷山の一画です。我々は、緊急に温室効果ガスを削減しなければなりません。そして、劇的に世界経済と化石燃料を全く使わない未来に変えていかなければなりません。

もう一度、我々の訴えを繰り返させてください。現在の気温上昇におけるツバルの未来は、すでに希望がない状態です。どんな気温上昇もツバルの完全なる消滅を意味するでしょう。この部屋にいる首脳で、このようなレベルの心配事や責任を持っている首脳は私以外いないでしょう。私の立場になって想像してみてください。あなたならどうするかということを。我々は、我々の子どもたちや孫たちが未来をもてるようにしたいのです。

我々は、この会議で、たくさんの政治的な挑戦に直面しています。我々は、バリ合意が、条約のもとでの法的拘束力のある条約もしくは議定書であることに合意しなければなりません。条約の目的は原則に強く基づいたものでなければなりません。それより少しでも弱いものになれば、我々は気候変動について真剣に向き合っていないという信号を世界に送ることになるでしょう。私は、我々の交渉のパートナーに、国内での課題を横に起き、法的拘束力のある条約のために世界全体が連帯するよう強く働きかけをしたいです。少しでも弱いものになると、恥をかくことになるのです。

我々全員が緩和策において大幅な削減を約束しなければなりません。我々は我々の国別目標についてその情報を交換するだけではなく、実施しなければなりません。パリで合意する国際条約は、将来への目標をどのように設定するかが明確でなければなりません。小規模島しょ国や後発発展途上国等多くの国にとって、地球の平均気温の上昇を工業化前に比べて1.5℃未満に抑えることが決定的に重要です。私は、ヨーロッパに人々に2℃未満に抑えることへのこだわりを注意深く考えるよう呼びかけます。もちろん、最も良い未来を生み出すことが目的であり、弱い妥協を目的とするべきではありません。

ツバルは、すでに気候変動の影響を受けています。今年始めに、サイクロンパムが我々の経済に深刻な影響を与えました。災害援助のコミュニティーから支援を受けたことはとても有り難かったですが、一方で、気候変動への影響に対してこのような突発的で特別な対応は継続できないと思いました。我々にはパリで合意される国際条約のもと、これから起るであろう気候変動の影響に必要な対応が確保できる恒久的な損失と損害のためのメカニズムが必要です。

パリで合意される国際条約は、新しく予測可能な資金やキャパシティービルディングも生み出さなければなりません。資金について、我々は、最も脆弱なものが資金援助のリストの一番上にくることを確実なものにしなければなりません。これは、資金にアクセスしやすく、官僚的でないということを意味します。しかし残念ながらそれは実施されていません。

議長殿
最後に、パリで合意される国際条約は、人権を守るという明確な目的をもつものでばければなりません。そして、ジェンダー間の平等や先住民の権利を尊重するものでばければなりません。さらに、バリで合意される国際条約のもとで行われる全ての対策は、環境に優しいものでばければならず、自然環境に悪影響を与えるものであってはなりません

議長殿
今がその時です。我々全員一緒に立ち上がり、自分たちの未来を作り変えましょう。新しい、包括的な気候変動の条約は手に届くところにあります。今、やりましょう。人類の未来のためにやりましょう。

ツバルのためにやりましょう。ツバルを救う事ができたら、世界を救うことになるのですから。

ありがとうございました。

(翻訳: 川阪 京子)

ビデオソースは次にあります。UNFCCC Webcast Leaders Event - Mr. Enele Sosene Sopoaga, Prime Minister of Tuvalu

※ツバル首相のスピーチ全文はUNFCCCのCOP21サイトからダウンロードできます。