1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

気候変動ニュース

10月4日から9日まで、中国の天津で、11月29日からメキシコのカンクンで開催されるCOP16に向けた準備会合が開催されます。

準備会合は、今年に入ってすでに3回開催されており、昨年、12月に開催されたコペンハーゲン会議(COP15)では、合意に至らなかった2013年以降の国際的な地球温暖化防止の取り組みを定めた法律を作る議論が、継続されています。

気候変動の影響をもっとも受けやすいツバル政府をはじめとする島しょ国は、大気中の二酸化炭素の濃度を350ppmに安定化させるように訴えています。それでも海面上昇などの影響は出てしまいますが、影響を最低限に抑えられるレベルだと科学者たちが示しているからです。産業革命前の大気中の二酸化炭素濃度は275ppmだったのですが、化石燃料の使用とともに増加し続け、現在392ppmになっています。何の対策もとらなければ、毎年2ppmずつ増加していっているという状況です。

大気中の濃度を350ppmに抑えるためには、ここ10年くらいのうちに世界全体の排出量を削減に転じさせていかなければなりません。

これを実現する国際的な枠組みが必要なのです。

現在、国際的な地球温暖化の取り組みを定めている気候変動枠組条約は、各国の取り組みは努力目標であり、歴史的な温室効果ガスの排出量が多い先進国の削減目標義務を定めた京都議定書は、2012年までです。世界第二位の排出国となっているアメリカは京都議定書には参加しておらず、現在世界第一位の排出国となっている中国には削減目標義務はありません。

ツバル政府などは京都議定書の削減目標をもつ国はさらに削減をし、今対策をとっていないアメリカや中国など全ての国が対策をとる枠組みの合意を訴えています。

現在は、2011年末に開催される南アフリカで開催されるCOP17での完全合意を目指しており、今年開催されるCOP16では、主要な論点に関する大枠合意が目指されています。

(執筆:川阪京子)