ソポアンガ外務大臣インタビュー
先月16日に東京で太平洋・島サミットの中間閣僚会合が開かれました。
この会議は、第5回太平洋・島サミットの成果のフォローアップと、第6回太平洋・島サミット(2012年5月25日及び26日に沖縄県名護市で開催予定)の準備を目的に開催された初めての試みで、16カ国・地域から閣僚級の参加を得て行われました。
ツバルからは環境・外務・労働大臣のエネレ・ソポアンガ副首相が参加されました。
帰国後、ツバル政府内で実務を始めたばかりで多忙な時期ではありましたが、エネレ・ソポアンガ氏に、太平洋・島サミット中間閣僚会合について、合わせて11月末からメキシコのカンクンで行われるCOP16へのツバル政府の意気込み等をインタビューさせていただきました。
太平洋・島サミット中間閣僚会合についてソポアンガ氏は、日本の太平洋島嶼国に対するこれまでの支援、特にツバルに対しての気候変動分野の支援に対して多いに感謝しているとしたうえで、
「今回初めての試みとして行われた太平洋・島サミットの中間閣僚会合は、とても有意義なものであったと感じる。というのも今回の会合では、日本が今後の太平洋諸国への支援の在り方について、これまで以上に透明で、柔軟かつ迅速な支援していきたいという旨を述べたが、その中でも特に柔軟性について日本が触れてくれたことは、とても大きな意義があるからである。ツバルを含む太平洋島嶼国の小さな島々の政府組織はまだまだ国家を運営する組織体としての力が弱いところも多く、先進国からの支援を要請するにも、要請を出す事前段階の調査等も自国で行うには難しいのが現状である。このような太平洋島嶼国ならではの事情であったり、不具合を共有することができたことは、この会議があったからこそできたことであり、そういった意味で、今回行われた中間閣僚会議の意義は大きい。
会合では第6回太平洋・島サミットでの議題についても議論されたが、議題の内容についても、とても満足している。議題の中には、中長期的な関係強化に向けた太平洋島嶼国の若手招聘事業の充実を図る旨が含まれているが、この分野に関しては、より積極的に、日本とツバルの人材交流のための助成金制度をより充実し、学生レベルの若手の人材交流・育成にとどまることなく、閣僚級の交流もより一層活発にしていきたいと考えている。前原外務大臣と菊田外務大臣政務官にも、ぜひ近い将来ツバルに来て頂きたい。」
と日本との交流をより親密にしていきたい旨を表明しました。
また、11月末からメキシコのカンクンで開催されるCOP16については、
「前回コペンハーゲンで開催されたCOP15は、残念ながらその成果は皆無に等しい。太平洋島嶼国の国々、とくにツバルは、強さを増すサイクロンの影響や海面上昇が原因と思われる海岸の浸食の影響等を今まさに受けている。にもかかわらず、日本を含む先進国は、京都議定書の枠組みを新たに組み直すような話をしているが、そんなことをしている時間は我々には残されていない。京都議定書の枠組みは残したままで、追加すべき事項があれば新しく追記すればいい。中国やインドがそれに合意してくれるよう、ベストを尽くすべきである。また、現段階の京都議定書の内容についても、薬を少しずつ投入していくような時間のかかるものではなく、すぐ行動に直結するような、より具体的な内容にシフトしていくべきである。我々には、時間を無駄に食っている暇はない。日本を含む国際社会に対して、今必要なのは行動であるということを、強く伝えていきたい。」
11月末からカンクンで始まるCOP16、ツバルは効果的な行動に繋がる決議を求めて行く事になりそうです。