ツバル、京都議定書を批准しないオーストラリア等を訴える !!
【修正】その後の追跡取材で、この件は当時のコロア・タラケ首相のパフォーマンスの要素が強いことがわかりました。2002年8月に首相が交代した際に、新首相に聞いたところ、アメリカを訴えるなどと言うお金がどこにあるのかね?と一笑されてしまいました。コロア・タラケ氏は解任後すぐにニュージーランドへ移住したそうです。
BBCニュースによると、ツバルはキリバス・モルジブなどと共同して京都議定書の批准を否定しているオーストラリア・アメリカ合衆国等を訴える準備をしているそうです。私の独自ルートでの調査でも、このような動きはしていると言うことなので、この記事は正確なようです。
この訴訟は、アメリカ合衆国に京都議定書を批准させる為にも重要なアクションとなると思います。是非日本政府も協力して欲しいものですが、現在外務省が無い様なものなので、期待は出来ません。それに首相もアメリカにはNOといえないようですから・・・なにか個人が参加出来る仕組みを見つけたいと思います。
太平洋に浮かぶ島国、オーストラリアに挑む
小さな島国ツバルの問題に真剣に対応するよう、オーストラリアの法律専門家が政府に対して警告の声を上げている。ツバルは地球温暖化によって海面が上昇すれば水没するという脅威に直面しており、50年以内に太平洋に沈んでしまう可能性がある。
ツバルのコロア・タラケ首相によると、ツバル、キリバス、モルディブの島国3カ国は、温暖化の進行を加速させている先進国を国際司法裁判所に提訴する構えである。同首相によると、オーストラリアも提訴されることになりそうだ。「わたしが10歳の時にはこのあたりの島々で遊んだものだが、今は遊べる場所はどこにいったんだ? すっかり消えてなくなってしまった」と現在60歳の首相は3月3日、オーストラリアのクーラムで開催された英連邦首脳会議(CHOGM)での記者会見で語った。
同記者会見でタラケ首相は、目に見える海面上昇はまだ起こっていないとする科学的研究に反論していることも述べた。オーストラリア国立潮汐研究施設がツバルの首都フナフティに93年に設置した潮汐計では、これまでのところ平均海面高の変化は示されていない。
○温暖化進行は誰のせい?
小さなツバルの大きな挑戦
ツバルは9つの小さな島からなる国であり、面積はワシントンDCのおよそ9分の1、人口は約1万1000人。世界で最も高度の低い国の一つであり、全土を通して海抜4.5メートル以上の地点はない。
ツバルは、地球温暖化をもたらす温室効果ガスの排出増加に最も寄与していると思われる米国とオーストラリアの提訴に向け、すでに、それぞれの国の法律事務所に依頼を出している。また、オーストラリアだけではなく、タバコ会社、石油会社、自動車メーカーを提訴することも考えている。
シドニー大学法学部のドナルド・ロスウェル助教授によれば、オーストラリアは国際司法裁判所の司法権を完全に認めているので、訴訟の対象として扱いやすいとのことだ。同助教授はABCラジオで「オーストラリアは国際司法裁判所の司法権を留保を付さずに受け入れるため、国際司法裁判所への提訴の処理を進めやすい国の一つだ」と語った。
政策研究を行う独立機関であるオーストラリア研究所の専務理事、クライブ・ハミトン博士によると、国際訴訟を起こすというのは強硬手段だが、ツバルがどれほど追いつめられているかを示すものだ。同博士は、「ツバルは地球温暖化の極めて深刻な被害を受ける国の一つであり、こうした手段をとるのも驚くことではない」とABCラジオで述べた。
米国とオーストラリアは温暖化防止のためにCO2排出削減を義務づけた京都議定書の批准を拒否している。
米国は京都議定書にかわる気候変動対策の代替案を作成し、オーストラリアはこれを支持しているが、多くの環境NGOは、米国提案はCO2排出の大幅増加をもたらすとして、強く反対している。
翻訳:環境英語ML
0BBCの原文はこちらで見ることが出来ます。