1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

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2005年1月19日 サイパントリビューンが伝えたところによると、1月第3週の週末頃から南太平洋の通信環境を担っている通信衛星インテルサット IS-804 に障害が発生し、現在以下の地域の電話回線とインターネット環境がダウンしています。

影響を受けている地域は、グアム、トケラウ、トンガ、クックアイランド、ウエスタンサモア、アメリカンサモア、チャタム諸島(ニュージーランド領)、ソロモンアイランド、キリバス、ニウエ、バヌアツ、マーシャル諸島、トンガ、そしてツバルです。

一部の地域では普及したとの知らせもありますが、引き続き障害が発生しています。

サイパンのラジオ局KRNMのステーションマネージャー、カール氏の伝えるところによると、通信衛星は軌道を外れたか、回転して角度が変わってしまったかしているので、手の打ちようがない、と訴えています。2005年1月15日の3時には衛星から通信が出来なくなったという警告が発信されたという情報もあわせて伝えています。

インテルサットのサービスエリアはニュージーランドからロシアまでと広範囲にわたっています。海中ケーブルの施設を持たない国々にとって大変貴重な通信インフラで、テレビ局、ラジオ局、電話会社、インターネットプロバイダー、などをリンクしています。

また、エアーライントンガ、エアーニュージーランド、ポリネシアンエアーライン、エアーパシフィック各社の国際線の予約業務に支障が出ています。

現在代替えの衛星の準備を進めているとのことですが、普及までには1週間ほど時間がかかる見込みです。

原文:PACIFIC ISLANDS REPORT

19日付けの毎日新聞によると、衛星の故障原因は太陽の磁気嵐にあるようです。影響を受けている衛星は、GOES(NOAA)・JCSAT-1B(JSAT)・インテルサット(太平洋174度804衛星)など。磁気嵐の詳しい情報はNICT(独立行政法人情報通信研究機構)にあります。ここが運営している「宇宙天気ニュース」はとても面白いです。まるで宇宙に住んでいるかのような気分になります。

ツバルをはじめとする島嶼国は海底ケーブルが敷設されていないため、通信環境のすべてを衛星回線に依存しています。今回のように衛星が故障しているときに、何らかの災害が発生した場合、SOSを他国に向けて発信するすべがありません。また、津波などで衛星アンテナなどに傷害が発生しても同様です。スマトラ沖の津波警報システムももちろん重要ですが、島嶼国に対する通信用海底ケーブルの敷設も重要項目だと思います。

文責:遠藤秀一(Tuvalu Overview)