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米国の科学専門誌『米国科学アカデミー紀要』に7月29日付けで発表された研究によれば、ニューヨークやマイアミを含む1700を超える都市や街が、今世紀中に、海面よりも低くなる可能性があるという。

同研究は、直ちに温室効果ガスの厳しい規制等を行わない限り、少なくとも80都市が今後10年以内に海面下に沈む可能性があると指摘している。

同研究の著者であり、Climate Centralの研究員であるベンジャミン・ストラウス氏は次のように述べている。「明日すぐに温室効果ガスの排出を止めたとしても、フロリダ州のフォートローダーデールマイアミガーデンズ、ニュージャージー州のホーボーケンといった都市は海面下に沈んでしまうだろう」

「何百もの米国の街が、すでに水没が運命づけられている。我々はさらに、(対応を遅らせることで)、そのような街を急増させている」とストラウス氏は述べている。

ストラウス氏の言う「運命づけられる」とは、地球温暖化がもはや抑制できなくなり、それらの都市が後戻りできない状態になってしまうことを意味している。温室効果ガスの排出をゼロにしても、気候に影響を与えるには時間がかかるため、すでに危機に瀕している都市は沈んでしまうというのだ。

ますます予測が難しくなり、威力を増しつつある異常気象に対して、オバマ大統領は「野心的」という評価を得た計画を立てた。その計画には、地方自治体における悪天候への防備体制の強化と、再生可能エネルギー技術への巨額投資が含まれている。

しかし、ストラウス氏の分析が正しければ、オバマ大統領の計画も十分とはいえない。同論文は、上述の1700都市では、2100年までに、その人口のうち25%が暮らす地域が水没する可能性があると結論づけている。

そして、そうした地域の人々の多くは、2100年よりかなり前から、気候変動の影響を直接受けることになるだろう。「大規模な堤防や土手を築かないかぎり水没するという地域はかなり多い」と、ストラウス氏は分析している。

オリジナルソース:HUFFPOST JAPAN