原発抜きでも温室効果ガス削減可能
IPCCは第5次報告書の付属文章において、温室効果ガスの削減は、原子力発電所の稼働抜きで達成可能であるという報告を盛り込みました。
国連がこのような公式な形で原子力発電の推進に異議を公表するのは初めてのことです。この報告書が原発村解体のスタートになることは確実でしょう。今後、日本政府がこの国連見解に対して、どのような舵取りを行っていくのか要注目です。
また、最近、安倍内閣官僚(甘利、麻生、両大臣)が、国内電力会社9社から裏金と解釈されても言い逃れができないパーティー券の購入での資金援助を受けていたことも明るみになっています。このような裏献金と引き換えに、原発再稼働を目指す政治家を今後どのようにしていけばいいのか?特に「福岡県第8選挙区」及び「神奈川県第13区」の次の選挙に注目です。
『「原発抜きでも温室ガス削減可能」 IPCCが文書公表』2014年4月21日 朝日
「温室効果ガスの削減策に関する報告書を公表した国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は20日までに、その根拠などを示した文書を公開した。太陽光や原子力など温室効果ガスの排出が少ない低炭素エネルギーを急増させれば、温暖化の悪影響を抑えられるとしていたが、それは原子力抜きでも可能だと指摘している。
13日の報告書公表後、原発を推進する立場から「温暖化対策として必要」との声が大きくなるなか、原子力なしの選択肢が成り立つことを示す内容だ。
報告書は、温室効果ガスの排出量を2050年に10年比40~70%削減できれば、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度以内に抑えられる可能性が残っていると記述。そのため、電力に占める低炭素エネルギーの割合を80%に増やすことを条件の一つに挙げていた。
今回、追加公開された付属文書は、既存の原発は耐用年数まで使い、新規建設はやめる脱原発依存のシミュレーションでも「温室効果ガスを削減するコストの上昇はごくわずかだ」と言及した。そのうえで、風力や太陽光発電と原子力などは相互に置き換えることが可能だとしている。
IPCCの報告書は各国政府によって1文ずつ承認されるため、その表現をめぐって政治的な妥協がはかられることが少なくない。だが、技術的要約や本体などとも呼ばれる付属文書は研究者主導でまとめられたものが受諾される。
原子力をめぐって報告書は、「成熟したベースロード電源」としつつ、「国際的なシェアは減少しており、さらに貢献できるが、様々な障壁やリスクが存在する」と位置づけ、事故や廃棄物処理、核拡散などの課題を挙げている。(須藤大輔)」