1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

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NASAとカルフォルニア大学の研究チームの発表によると、地球温暖化の影響により南極大陸において、6箇所の氷河の流出を防ぐことができる段階を超えてしまった。というレポートを発表しました。氷河の流出にはあと100年ほどかかると想定されるようです。これらの氷河は全世界の海面を1.2m上昇させることが可能なボリュームがあると付属資料で説明されています。

1.2mの海面上昇がツバルに与える影響は非常に大きいものです。平均海抜が1.5mにも満たないツバルの首都、フナフチ環礁ではすでに海岸侵食などの被害が目立ってきています。これ以上の海面の上昇は死活問題であると言えます。

今年12月には20回目となる「COP = 気候変動枠組条約締約国会議」がペルーのリマで開催されます。IPCCの予測を超える1.2mという数値を含むこのレポートはCOP20に大きなインパクトをもたらす内容です。このことによって国際社会の団結した行動が開始されることを祈って止みません。

※北極海の氷が溶けても海面上昇に直接的な影響は与えませんが、陸上にある氷、山間部の氷河や、南極大陸の上にある氷河の溶解は海面上昇の直接的な要因になります。

NASAのオリジナルレポート

http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2014-148&utm_source=iContact&utm_medium=email&utm_campaign=NASAJPL&utm_content=earth20140512

1.2mの上昇を報告している付属レポート

http://www.nasa.gov/jpl/news/antarctic-ice-sheet-20140512/#.U3MWnF5gSfY

NHKニュースの解説の転載

南極の一部氷河 「温暖化で流失防げず」

2014年5月13日 9時52分

NASA=アメリカ航空宇宙局などの研究チームは南極大陸の一部の氷河について、温暖化の影響で、すでに氷河そのものが失われるのを防ぐことができない状態になっているという分析結果を明らかにしました。

NASAやカリフォルニア大学などの研究チームは12日、人工衛星や航空機による観測などから得られた過去40年間のデータを基に、南極大陸の西側にある6つの氷河の状態や地形を分析した結果を発表しました。
それによりますと、これらの氷河では、海水温の上昇などの影響で地面と接する氷河の下の部分に海水が流れ込んで氷が溶けており、氷河と地面が切り離されている地点は、20年前と比べて最大で37キロ内陸側に入り込んでいたということです。
このため氷河が流出しやすくなっていて、氷河が海に向かって移動する速度は年に最大4キロメートルと、40年前と比べて1.7倍の速さになっていたということです。

さらに氷の下の地形の分析で、流出をせき止められるような地形ではないことが分かり、研究チームは「これらの氷河が失われるのを防げる段階はすでに超えた」として、今後数百年以内に6つの氷河はすべて失われ、1.2メートルの海面上昇につながると指摘しています。
また、16日付けのアメリカの科学雑誌「サイエンス」では、別の研究チームも6つの氷河のうちの1つが早ければ200年後にも崩壊するという予測を発表し、温暖化の深刻な影響が浮き彫りになっています。