特定非営利活動法人ツバルオーバービュー

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12月から4月の5ヶ月の間、ツバル近海は高潮の季節となります。この期間の満潮時に1980年初頭より観測されてきた洪水が発生します。2007年2月も予測値では洪水が発生する数値が出ていましたので、現地での取材を行いました。

大潮の様子 その1

上の図は、ツバルの首都フナフチの潮位予測表です。赤い□でマーキングしている部分、18日、17:38に3.20mという予測が出ています。この数値は潮位計の測定基準からの高さで、3mを超える満潮時に洪水が発生します。年間に10数回、時間にして3時間~5時間程度の期間、島の低い部分に海水が湧き出してきます。

洪水で家が流されるなどの被害はありませんが、地面の中に海水の塩分が残るので、畑で塩害が発生するほか、沿岸部では海岸線の浸食などの深刻な影響が出ています。2006年の2月の大潮の際はキングタイド(異常潮位)が発生し、予測値より20cmも高い満潮を観測しました。2007年はだいたい予測値通りの満潮だったので、昨年のような床上浸水などの被害はなかったのでホッとしていますが、海面は引き続き上昇していると考えられていますので、楽観出来る状況ではありません。

2006年02月の大潮の状況はこちらをご参照ください。

大潮の様子 その2
フナフチ環礁でも最も浸食の被害が激しい島、テプカ島17日の満潮の様子です。特に風もない穏やかな日でしたが、島の高に迫るほどの波が打ちよせていました。この場所の被害は年々ひどくなるばかりです。

大潮の様子 その3
写真中央の建物は、日本の援助で建造されたディーゼル発電所です。2月20日に開所式が行われ、本格稼働したばかりです。この付近も以前から洪水が観測される場所なので、発電所もそれを見越した設計となっていて、特に被害はありませんが、将来的には不安が残ります。

大潮の様子 その4
写真左がラグーン(内海)です。右側に集会場があります。波が地面の高さまで迫っていることが、この写真からもわかります。

大潮の様子 その5
この写真は、島の中でも低い場所にある集会場の前の様子です。大潮の満潮時には洪水が起こります。奥に民家も写っています。この民家の様子が下の写真です。(大潮の満潮時に洪水になりますが、普段は水はありません)この家は小学校の先生の家なのですが、ここに住む家族は現在NZへの移住申請をしている最中です。

大潮の様子 その6
ツバルで起こっている海面上昇の被害の原因は地球温暖化にあると考えられます。ツバル人は地球温暖化の原因になるような大量の二酸化炭素を排出する生活はしていませんし、そのような工場などの産業もありません。しかし、私たちが日常的に排出する大量の二酸化炭素のせいで、ツバル人は無意識に移住を考えることが多くなってきているようです。

今は遠いツバルやキリバス、マーシャル、モルジブなどで起こっている被害ですが、やがて島国日本でも同じような被害は顕在化します。ツバルからの警告を真摯に受け止め、今すぐに二酸化炭素削減に向けての行動をおこすことが急務だと言えるのではないでしょうか?

取材・レポート NPO Tuvalu Overview 代表理事 遠藤 秀一
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