1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

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1980年頃 ニュージーランドの支援でメアリーランド・アイランダーズ航空(現在のエア・ニュージーランド)がツバル国内の離島間を結ぶ水上機のセスナ206を運行していたことがあります。フナフチ環礁のフォンガファレ島には第二次大戦時に作られた飛行艇用の桟橋があり、それを利用して運行していたようです。残骸となってしまった桟橋はタウンカウンシル近くのラグーンサイドにあります。ラグーンがあってシープレーンが容易に離着陸できる離島には管制塔ならぬ無線小屋の残骸が残っています。

ニュージーランドのプロジェクトの終了時期は手元に記録がありませんが、1998年に代表理事の遠藤がツバルを訪れた際には、すでにサービスは終わっていました。

ツバル政府の国内線確保の夢はその後も継続しており、遠藤も参加したトップレベルドメイン事業の収益の一部は、その当時、フィジー〜ツバル間を就航していたエアーフィジーの51%の株を購入する資金としても活用されました。残念なことに数年後、エアーフィジーは倒産してしまって、完全なあぶく銭になってしまったのは今でも悔やまれます。

その当時この航路を飛んでいた飛行機は十数人乗りのブラジルで製造されていたブラジリアという小型機と、骨董品と呼ばれたコンベアー580です。

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これはEMB 120 Brasilia。機体にはPacific Linkと描かれています。フィジーを拠点に周辺の島々を結んでいました。パイロットの話ではすごく操縦しやすい機体だそうですが、飛行距離が短かったので、給油設備が不安定なツバルへの往復はギリギリの距離だったようです。客が少ないと無線機の故障だとか言ってフライトキャンセルになったり、逆に満席で積載荷物が多いと、降ろされてしまったり、、、救命装置を積み忘れてフィジーに戻ったこともありましたし、ツバルに着陸したとたんにタンクから燃料が吹き出すというとんでもないハプニングに遭遇したこともありました・・・

トラブルが多くツバルに来たらいつ帰れるか分からない・・・ということが日常茶飯事でした。

Convair580

 

ブラジリアが不調の際に飛んでいたのが、コンベアー580(コンソリデーテッド・ヴァルティー・エアクラフト社)という骨董品でした。博物館に収めるレベルの機体だそうで、この機体に乗るためだけにツバルを往復した飛行機ファンがいたほどです。最初に旅客機としてフライトしたのが1950年・・・ その前は軍事用の貨物輸送の機体だったそうです。

旅客機として改造された際に今では珍しい大型の四角形の窓を付けて、飛行高度をあげられるように機内に圧力をかけるコンプレッサーも設置されました。大型の四角形の窓は内圧に弱く、何回か吹き飛んだことがあったようで、その後、飛行機の窓は小さい丸に近い形状になっています。また、コンプレッサーは無段階可変式ではなく、ある高度になったらパイロットがスイッチを入れて内圧を高めるというマニュアル式だったので、機内では突然キーンという耳鳴りとともに高圧にさらされるというアトラクションが楽しめました(汗)

赤道直下の南太平洋を飛行するには空調設備も貧弱で機内は涼しいとは言えず、窓の大きい操縦席ではパイロットが汗だくで操縦していたようです。フナフチに駐機している際に、操縦席の小さな扇風機を回しっぱなしにしていたらバッテリーが上がってしまって、急遽バッテリーを外して、発電所に持ち込んで充電した、、、などというアクシデントにも遭遇しました。

命がけまではいかなくても、ツバルに行くのは本当に大変な時代でした。

その後、アシアナ空港がこの航路を担当したこともありました。今ではフィジアンエアーが中型旅客機のATRを飛ばしてくれているので、飛行機の心配はだいぶ薄らいでいます。

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そして2023年5月11日、国営のAIR TUVALUが始動しました。ホノルルから飛来した機体はDHC-6 ツイン・オッター 。未整備の短い滑走路でも離着陸できる汎用性の高い機体です。このシリーズの初フライトは1965年とのこと、、、ちょっと心配ですが、ツバル国内のヌクフェタウ環礁などには、第二次大戦中の滑走路の跡が残っており、そこを整備すれば、もしかしたら国内便の夢が叶うのかもしれません。

12-TV8 は16人乗り。所有者はツバル国、パイロットはAir Tuvalu社のCEOが自ら操縦するということです。夢のある話ですね!

正式な就航は10月以降とされています。