1998年から南太平洋に浮かぶ島国ツバルに軸を置いた活動を行っています。最新ニュースの提供、気候変動防止を主題とした講演会への講師派遣・写真展へのパネル貸し出しを行う他、鹿児島の体験施設「山のツバル」では、スマートな低炭素暮らしの実験に挑戦しています。

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外務省の次席秘書官パーニ・ラウペパ氏からのメールによると、ツバルの首都フナフチは1月24日から30日まで1週間に渡って電力供給がストップしてしまいました。31日現在普及はしたものの不安定な状態が続いているそうです。

昨年フナフチには新しい大きな病院がオープンしたり、外灯が整備されたり、それぞれの家庭にも様々な電化製品がお目見えして、電力需要が高まりつつありました。

パーニさんからのメールには以下のように書かれています。

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停電の原因は老朽化した高圧ケーブルに、延長する為の新しいケーブルを接続した事にあります。さらに悪い事に、古い変圧器とスイッチ類も問題を悪化させています。

首都における新しく増加している電力需要に、20年も昔のケーブルや変圧器、設備群がまったく対応できていないと言うのが正直なところです。

その停電の被害は甚大なものです。まず島民の日常生活に支障が出ています。生活に欠かせない冷蔵庫と扇風機が動かないので、真夏の寝苦しい熱帯夜が続いています。冷たい水も飲めないし、食糧の保存も出来ません。

ウオーターポンプが動かないので、水の運搬を人力で行っています。外務省の事務所では2階のタンクまでバケツリレーで水を運ばなければトイレも洗面所も使えません。水を運ぶ事が出来ない人達は、ラグーンで用を足しているので、衛生状態は極めて悪く、健康問題に発展しかねない状況です。

また、スーパーや倉庫の冷蔵庫からは解凍されて腐ってしまった食糧が大量に廃棄され、甚大な被害となっております。同様にビジネスも政治もほとんど機能しない状態でした。なにしろ首相オフィスの電力さえも確保できない状態なのです。

今年の4月には3階建ての政府新庁舎がオープンする予定ですが、その建物が機能しはじめる事で、首都の電力問題はより深刻なものになる事が予想されます。

一刻も早い新しい発電所の実現に向けて、今年度上半期中に、調査団の派遣とプロジェクト実現の為のODAの予算決定を日本政府に強くお願いしたく思います。

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現在ツバルは真夏ですが、雨期にもあたるので、水には比較的苦労しないで済むはずなのですが、それでもそうとうな事態になっているようです。また、このまま乾期になり、停電によって塩水からの真水製造器が稼働しなくなれば、問題は一気に水不足へと発展します。

パーニさんは昨年の11月に来日された際も、各方面に新しい発電所建設への協力を依頼して廻っていましたが、その心配が早くも現実になってしまったようです。

こういう時に政府の何処にこの便りを伝えて良いのか分かりませんが、心当たりのある方は、どうかこの事態を然るべき部署にお伝え下さい。乾期になって真水製造装置が動かないと、フナフチの人達は水不足という壊滅的な状況に追い込まれてしまうのです。

文責:遠藤 秀一 tuvalu@site.ne.jp