高潮による被害を警告しているというニュースについて
朝日新聞の2/17朝刊の29面(第3社会)に、「ツバルの気象観測所が19日から20日にかけての大潮で、島全体が海水に浸水したり、大雨や強風が重なれば水没する場所も出てくるとして、住民に飲み水の備蓄や避難場所の確保を呼びかけている」という記事が掲載されました。
この記事を見て僕はちょっとした違和感を感じました、というのも、今月のタイドテーブル(潮位表)では、確かに19日~21日かけて3mを越える潮位が予想されていますが、どれも3.1mを越えない数字だったので、水没などの被害が起こるのだろうか?と思ったのです。昔からの友人である気象庁長官のヒリアさんにメールで確認したところ以下のような答えが戻ってきました。
I am not happy about the news because they have overstated what I said. I did not send any text but I made a few interviews on the phone. For sure I’ll take photos and send them over. These high tides won’t be higher than the record of 2003 which was 3.2 metres.
そのニュースは、私が話したことを誇張しているので、満足できる内容ではありません。私はニュースをリリースした覚えはありません。ただし、幾つかの電話インタビューには答えました。
また、確かに私は彼らに数枚の写真も送りました。今回のキングタイドは大きな被害をもたらした2003年の3.2mという記録には及びません。
参考までに、以下にタイドテーブルを掲載しておきます。マスコミの人達はよかれとして誇張したり大げさに書いたり、部分だけを拡大解釈したりすることが多いようですが、ツバルに住んでいる人達は、自国が沈んでしまうことを、これっぽっちも望んでいません。
しかし、至る所で沈む沈むと報道されてしまうので、そういうニュースには嫌悪感を感じる人も多いようです。マスコミに報道されて注目を受けるのも大切なのですが・・・あまり大げさに誇張した記事はモラルに欠けると思います。
文責:遠藤 秀一 tuvalu@site.ne.jp